さんえすPLUSの想い
令和3年11月1日にオープンした買い物リハビリデイサービス「さんえすPLUS」ですが、有難いことに毎月新しいご利用者さまが増え、徐々に活気がでてきました。
そんなさんえすPLUSは、「買い物リハビリ」という新しい形の介護予防デイサービスです。
今回は、さんえすPLUSをオープンするに至った経緯や、さんえすPLUSへの想いをお伝えできればと思います。
当社が運営する岩倉市中央町にある「デイサービスセンターさんえす」では、「施設に入りたくて施設に入る人はいない」「誰でも最期まで自分の家にいたい」という想いから、在宅の支援というデイサービスの本来の役割にこだわり、本当の自立支援を目指し、ご利用者さんが前向きに生きるための様々な「個別活動」に力を入れています。
さんえすの個別活動では、洗濯・掃除・洗い物や料理から始まり、野菜・花・盆栽・活花などの園芸活動、手芸・囲碁将棋・麻雀などの趣味活動、懐かしい風景を見に車でお出かけしたり図書館へ本を借りに行ったりと、ご利用者さん一人ひとりの「まだやれること」「もう一度やりたいこと」「本当はやりたいこと」を施設内外問わず実施しています。
ご利用者さん一人ひとりに合わせた個別活動を通し、ご利用者さんの表情が活き活きと輝き、意欲的で前向きな生活を送ることができるような支援をしています。
実際、たくさんのご利用者さんの表情や姿勢、行動は、個別活動を行うことでスタッフがびっくりするほど変わっていきました。
そんな個別活動の中で、ご利用者さんと一緒に近くのスーパーやドラッグストアに買い物に出かけることがあります。
買い物にでかけると、普段歩行訓練を嫌がっているご利用者さんがスタスタ歩いていたり、自分から商品を探しに店内を歩き回っている姿がありました。
そして、その時のご利用者さんの表情は、とても活き活きしていました。
ご利用者さんに話を聞くと「今はヘルパーさんが買ってきてくれる。本当は自分で買い物に行きたいんだけどね」と、どこか寂しそうな何かを諦めてしまったような表情で話していました。
「危ないから」と自転車を取り上げられ、買い物に行く手段がなくなり自分で買い物に行くことができない方がたくさんいたのです。
それは、ただ「買い物に行けなくなった」だけではなく、何十年と家族のために雨の日も晴れの日もスーパーに買い物に行っていたベテラン主婦が、今まで家庭の中で自分が担っていた大切な「役割」を失ってしまっているということでした。
そんな中、さんえすで買い物に出かけると、自分の「役割」を取り戻したご利用者さんが家族のために毎日買い物に行っていた「あの頃の主婦」に戻り、活き活きとした表情で店内を買い物して回っていたのでした。
なので「あの頃の主婦」からは買い物をしている時に「腰が痛い」「歩きたくない」などという言葉は全く出てこなかったのです。
そんな利用者さんたちを見ている中で、多々ある個別活動の中でも「買い物」にスポットを当て、買い物という生活動作を行うことで、ご利用者さんが自分の役割を継続して、今の生活・前向きな生活を続けることができるようなサービスはできないかと思い、「買い物ができるデイサービスを作りたい」と考えました。
ただ買い物をするにしても、介護施設でよくある「買い物ごっこ」や子供だましの買い物風のレクではなく、自分や家族に必要なものを本当に買いに行けるような形を作りたいと思い、日本各地ですでに「買い物リハビリ」を実施している事業所さんの取り組みを参考にしながら、随時岩倉市役所の担当課の方に確認をとり、買い物リハビリデイサービスという新しい形の介護予防デイサービス「さんえすPLUS」を作ることができました。
そんな想いでスタートしたさんえすPLUSですが、実際にご利用者さんから「こんなサービスを待っていたのよ」という言葉を聞いた時、また、「次は何を買ってこようか」とメモを書いてさんえすPLUSに行くことを楽しみにしてくれているご利用者さんを見た時、このサービスは「ご利用者さんにとって絶対に必要な形なんだ」ともう一度強く思いました。
まだまだ始まったばかりのさんえすPLUSですが、もっと多くの高齢者の方が活き活きと前向きに生活を送ることができるようこれからも頑張っていきます。
野村
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