生活期におけるリハビリの難しさ

2022年2月25日

買い物ができるデイサービスとしてオープンしたさんえすPLUS。

 

さんえすPLUSのサービス内容は、2時間30分のサービス提供時間の中で前半はリハビリ、後半はピアゴでの買い物を行います。

 

 

今回は、サービス内容の前半に行う「リハビリ」についての考えをお伝えできればと思います。

 

 

まずリハビリと聞くと、イメージしやすいのはスポーツ選手が怪我をしてしまった時、怪我をする前の状態まで戻すためにリハビリを行います。

高齢者の方でも、例えば自宅で転倒して大腿骨を骨折してしまった時、病院に入院してまた歩くことができるようにリハビリを行います。

 

 

では、在宅生活を送っている高齢者の方たちはというと、怪我をしているわけでもなく骨折しているわけでもありません。

 

ただ、身体を動かさないと段々と身体能力は低下していきます。

身体能力の低下を防ぐため、今の状態を維持するためにリハビリが必要なのですが、「体力が落ちないようにリハビリをしましょうね」「今の状態を維持するためにリハビリをしましょうね」と言われて、「よし、がんばるぞ」と熱心にリハビリに取り組む人はほとんどいないでしょう。

 

とりあえず大きな不自由なく過ごせている状態では、リハビリをする目的が感じられないのです。

 

ですが、デイサービスやデイケアに通っている高齢者の方たちはどうでしょう。

スタッフに言われるがまま、何のためのリハビリをしているのかもよくわからないまま決められたメニューをこなしリハビリを行っている方が多いのではないでしょうか。

 

その場では、リハビリは手段ではなく「リハビリをすること」が目的になってしまっているのです。

 

本来リハビリは目的を達成するための手段です。

自分の中の「もう一度〇〇したい」「〇〇できるようになりたい」という目的を達成するために、手段としてリハビリを行うのです。

 

 

スポーツ選手は、怪我をしてしまっても「もう一度以前のようなパフォーマンスを発揮したい」という強い目的があるから辛いリハビリに耐えることができます。

骨折してしまった高齢者も、「もう一度歩きたい」という強い思いがあるがあるから前向きにリハビリに取り組むことができるのです。

 

リハビリをする女性と指導するスタッフ

 

生活期リハビリで一番難しいのは、高齢者の方にリハビリの目的を持ってもらうことです。

 

そこで、さんえすPLUSでは「買い物」を目的とすることで、前向きにリハビリに取り組んでもらえる環境を作っています。

自分で買い物に行けなくなってしまった高齢者の方にとって、「もう一度自分の目で見て好きなものを買う」ということは、普段何気なく買い物をしている私たちでは想像がつかないほど重要なことだと思います。

 

何十年も家族のために毎日のように買い物に行っていた主婦が、「車に乗れない」「荷物を持って帰れない」「道に迷うかもしれない」という理由で買い物に行けなくなってしまうということは、自分のアイデンティティを失ってしまう程の喪失感があるのだと思います。

 

「もう一度自分で買い物に行ける」ことは、それほど大きな意味があるのです。

 

だから、ご利用者さんは「買い物に行きたい」から前向きにリハビリに取り組むことができるのです。

 

 

在宅生活を支える私たちは、有名な先生のリハビリプログラムや最先端のリハビリ器具ではなく、ご利用者さんに目的=希望を見つけてもらうことが一番大切なことだと思います。

 

 

野村

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