自分で買い物に行くことで変わる「立場」

手を消毒してスーパーに入っていく女性たち
2022年4月24日

さんえすPLUSに通うようになって、ご利用者さんの表情がみるみるうちに変わっていくのをよく目にします。

 

楽しそうにエアロバイクを漕ぐ女性

 

最初はリハビリをしたがらなかった方も、さんえすPLUSに通い自分の足で買い物へ行き自分の目で商品を選んで買い物をしているうちに、リハビリにも前向きになっていく方が多くいらっしゃいます。

 

単に買い物をすることで気分が高揚して前向きな気持ちにさせていることもありますが、「自分の足で買い物に行きたい」という目的がはっきりすることでリハビリの必要性を感じて、前向きに取り組むことができている方が多いように思います。

 

リハビリをする女性と指導する職員

 

実際、買い物には様々なリハビリ効果があります。

大きく分けて①運動機能の向上、②認知機能の向上、③社会参加の促進を通して、心身共に介護予防効果があると言われています。

 

 

ただ、実際にご利用者さまの様子を見ていて感じたことは、上の3つのリハビリ効果だけではないご利用者さんの変化があるということでした。

 

自分の足で買い物をしている時にご利用者さんがよく口にするのは

「お父さんにこれ買っていこう」 「娘がこれ好きなの」 「甥っこが喜ぶわ」

という、自分以外の人の話だったのです。

 

 

自分で買い物に行けず、他のご家族さんやヘルパーさんに買い物に行ってもらっている時は、ご利用者さんは「買ってきてもらう人」でした。

それが、自分で買い物に行けることで「買ってきてあげる人」に変わったのです。

 

つまり、「してもらう人」から「してあげる人」に変わることができたのです。

 

「してもらう人」は周りの人に対して遠慮や負い目を感じたり、自分でできなくなったことへの無力感、諦めなど自己肯定感が低くなってしまい、自尊心も失われていってしまいます。

 

それが、自分が「してあげる人」になることで、もともとご利用者さんが持っていた他の人のことを考える優しさや思いやり、喜んでほしいという気持ちを取り戻し、活き活きと前向きに生活をすることができるのだと思います。

 

これは、周りの人に買ってきてもらっている状況では得ることができないものだと思います。

 

ご利用者さんや高齢者の方は、環境さえ整えば買い物に限らずまだまだできることはたくさんあります。

自分以外の人を思いやる気持ちという人として大切なものをを奪ってしまうことなく、逆に活かすことができる環境を作っていくことが大切だと思います。

 

 

野村

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